鷲ヶ岳は大日岳と共に奥美濃では最もポピュラーな山のひとつです。
人気のスキー場をその西面に二つかかえ、旧高鷲村(現在は郡上市高鷲町)のシンボルです。
頂上は360度開けており、西面に大日岳、石徹白山塊から白山まで見渡すことが出来ます。
昨日の「天空遊歩道」から連登ですが、晴天が約束された一日、ノンビリと登って来ました。
できれば頂上から白尾山へと延びる稜線の様子を偵察したいのですが・・・。

AM.7:45 鷲ヶ岳スキー場駐車場スタート。
独りにもかかわらず良いスタート時間です。めずらしく昨夜の深酒も残っておらず快調! 駐車場からは大日岳の様子がよく見えました。
大日岳には近年「高鷲スノーパーク」というスキー場が誕生し、既存のダイナランドと共に大きな傷跡をその山腹に、否、山腹どころか頂上直下まで・・・。
鷲ヶ岳スキー場 Pよりの大日岳(右上)
スキー場の右端に沿って、
ゆっくり自転車で登っていきます。
ここで新発見がありました!
木っ端のコースマット?
コースに「木っ端」が敷き詰められていました。
雪の着きが良くなるとか?
スキーで削られてもブッシュが出にくいとか?
こんな事をしているとは知りませんでした。
10cm位か?ちょっとした厚みです。 
皆さん、知ってましたか?
AM.8:50 鷲ヶ岳スキー場 Top着。
ひと汗かく頃、鷲ヶ岳スキー場のTOPに到着しました。大日岳の様子が良く見えます。クモの巣の様にスキー場はコースを延ばし、大日の山肌を切り刻み、とても痛々しく見えます。冬の夜この辺りを車で通ることがありますが、ナイタースキーの照明がこうこうと灯り、ひなびた奥美濃とは思えないほどです。雪が消えてしまった大日岳や鷲ヶ岳の姿を、どれだけのスキーヤーが知っていることでしょうか?

鷲ヶ岳スキー場Topから有刺鉄線を潜り、隣接するホワイトピアたかすスキー場に入ります。このスキー場は昨今の「スキー離れ」にもめげずリフトの増設工事中でした。スキー場Top迄さほどの事もなくたどり着きました。

AM.9:10 ホワイトピア高鷲スキー場 Top着。

鷲ヶ岳スキー場Topよりの大日岳

いよいよMTBの始まりです。
ホワイトピア高鷲スキー場Topのすぐ東手にある1403.3m小ピークを乗り越えると、ちょっとした下りがありました。しかし、ここも昨日の「天空遊歩道」と同様、背丈を超える熊笹と灌木に道の両側を遮られ視界はありません。それどころか利用者の少ないこの群界境界線はいたるところで薮が道を覆い隠しており、調子に乗っていると痛い目にあいそうです。ちょっとした下りを楽しみ、また登りになりました。

AM.9:45 鷲ヶ岳スキー場からの登山道と合流。
鷲ヶ岳スキー場からの幅広の立派な登山道に合流しました。行く手を見上げると・・・、
一体どういうこと? 100m程先に軽トラが停めてあるではないですか!
以前テレマークで登った時、この辺りにちょっとしたお社があったことは覚えているのですが・・・。

AM.10:00 「一ぷく平」1460m 着。
「いっぷく平」のすぐ下を、ダートですが立派な林道が横切っていました。スキーで来た時にはなかったと思います?
地元のお爺さんがいて、
「向こうに上がってきている林道とつなぐ予定だ。」
と、言う。南に見える小尾根に林道が見えました。
「そうですか。」と、二・三言葉を交わし、
何を思うでも無く鷲ヶ岳を目指しました。
異変はすぐに現われれました。
丸太の立派な階段の登場です。
そして登山道のつけられている小尾根を林道が乗り越し、尾根の北側をへつっていました。
幅広の立派な林道です。
立派すぎて声が出ません。
長い階段を下りた時、この先の取り付きまで自転車で行こうかとも思いましたが、何だかシャクにさわり、無惨に寸断された登山道の続きに取り付きました。鷲ヶ岳に登るのはこれが最後になるだろうと思ったからです。
鷲ヶ岳登山道のこの細尾根には、
本当は「足場の悪い急登がある!」のです。
小さなコブを登り切るとまた愕然としました。
登山道がここで切れています。
仕方なく自転車を杖にして降りました。

「へんくつ者」の私を、鷲ヶ岳を初めて登る男性が後を追ってきました。危ない下りに導いてしまい、
何だか申し訳ないような気がします。
階段を下りたら素直に林道を歩いて行けば良いのですから。

鷲ヶ岳登山道の最後の部分は頂上直下の急登です。
しかしここにも階段が造られ、小石を敷き詰めた完全な「遊歩道」になっていました。
誰もが安全に鷲ヶ岳の頂上に立てるのですが、殆ど土を踏まないということは、どんなものでしょう?

AM.11:05 鷲ヶ岳頂上着。
三人の女性パーティーがお弁当を楽しんでいました。彼女たちも今回初めて鷲ヶ岳を登ったようです。この登山道をどう思ったでしょう?
何とも空しい気持ちになり、白尾山への偵察もせず早々に頂上を後にしました。
高鷲町は鷲ヶ岳のことをどう考えているのでしょう? 自分たちの誇りではないのでしょうか?「どこに林道を通しても構わない。」なんて、スキー場を造り過ぎて神経が麻痺してしまったのでしょうか。
それぞれの地域にそれぞれの事情があることですから・・・、
一方的なことは言えませんが、・・・。 
でも何の為に、 ・・・。
頑張った登りの後の楽しいお弁当のはずですが
失って、初めてその可愛さ(愛するに値すること)が分かるものですが、
もう元には戻りません。
下山コースは、鷲ヶ岳スキー場を直接目指しました。
沢道の部分が多く、あまり自転車向きではありません。
スキー場の中で2度パンクし、2回目はパンク修理が面倒になり、
肩に担いでトボトボ歩き下りました。
PM.0:00 鷲ヶ岳スキー場 P 着。
なんだか悲しい気持ちで帰路に就きました。
私の「鷲ヶ岳」に次回は無いでしょう。
林道から振り返る鷲ヶ岳
やまであいましょう。