飛越国境の山、いや正確には岐阜県とは接しておらず、
富山県南栃市と富山市が頂上を分け合っています。
岐阜県人には残念ですが、純粋に越中富山の山です。

山歩きを始めた頃から気になっていた山で、頂上部は緩やかな草原台地状です。私には遠い山ですが、「千円高速」がある内に、そして「一度だけの自転車」ということで、深夜の高速をひた走りました。

AM . 4 : 20 栃谷登山口出発。(778m)
道の駅「たいら」で2時間仮眠し、登山口のスノーバレー利賀に向かいました。計画は栃谷登山口から入山、前・中・奥金剛とつなぎ南の東俣登山口に下山、百瀬川沿いの林道を下り栃谷登山口へ周回するものです。
人気の山なので、出来る限り人に会わぬよう行動しなければなりません。登山口には前夜泊の車が2台。星明かりで出発準備をし、まだ薄暗い中を歩き始めました。
急登というものは無く、坦々とした登りが続きます。
ただ土質が弱いのか?至るところ土止めしてあります。
ヤブ・灌木が高く視界はありませんが、この暑い時期には日射しを遮ってくれ良いのでは?
AM . 6 : 40 金剛堂山(前金剛)着。 (1637.9m)
やっと前金剛の頂上広場に登り上げました。下界は晴れていますが、頂上部だけガスがかかっています。
自転車を担ぎ上げたバチが当たったのでしょう?
ひと息入れ先を急ぎます。
晴れておれば、伸びやかな草原台地と360°の展望を楽しむことが出来るのですが、
白山が時々顔を出す程度。
AM . 7 : 10 中金剛着。(1650m)
ヤブの小高い丘です。
花が多くなりました。
AM . 7 : 30 奥金剛着。(1616m)
中金剛から少しだけ登り下りがありました。ここも草原台地の頂上です。途中、ニッコウキスゲが咲いていました。ここでビールにしようと思ったのですが、単独者に追いつかれてしまいました。彼には不愉快だったかもしれませんが、軽く会釈し直ぐに頂上を後にしました。
さて、ここからはほとんど下りです。道の状態は相変わらず悪く、また両側から笹藪が被さり前方を塞いでいます。東俣峠〜金剛堂山の利用者は少ないようで、栃谷登山口〜金剛堂山間に比べ道はあまり手入れされていません。しかし、勢いだけでかなり乗車することが出来ました。 
AM . 8 : 00 東俣登山口着。(約1500m)
なんとか登山口のある林道にたどり着きました。ヤブを脱出したという感じです。
やっとビール休憩です。が、しばらくすると奥金剛で会った単独者に追いつかれてしまいました。
これにはさすがに私も驚きました。あの時間に奥金剛に到着するには、
1500mの山としてはかなり気合いの入ったスタート時間だったはず。(私は人目を避ける為)
そして奥金剛からは50%の乗車率はあったと思われ、こんなに早く追いつかれるとは!
徒歩で栃谷登山口へ周回するそうで、東俣峠に車をデポしてはいないとのこと。
ほとんど下りの林道歩きといえどかなりの距離。本当にすごい人です。
彼は少しウロウロすると、「林道はこっちですか?」と、
東俣登山口標柱に向かって右、下っている方を指さしました。
「そうです。」 何のためらいも無く私は返事をしました。
彼が下って行ってから数分後、
そろそろ私も出発しようと用足しに林道の左側、登っている方へ少し行くと、
ナント!すごい林道が上がって来ているではありませんか!
シマッタ!! すぐに自転車で彼を追いかけました。
かなり下ったのですが追いつきません。彼は本当に足の速い人でした。
直ぐに追いつけるものとザックを散らかしたまま来てしまったので、
やはり取りに引き返し、再び彼を追いかけました。
かなり下りました。GPSの記録では1350m付近で、やっと彼に追いつくことが出来ました。
どうもこの先で林道は終わっているとのこと。約150m間違えて下ってしまいました。
私の間違いを詫びると快く許してくれ、わざわざ追いかけてくれたと感謝してくれました。
本当にうかつでした。
ちゃんと地図を見ていたのに、方向を確認せず、ただ下っていけば良いと思い込んでいたのです。
また登山口の看板には東俣峠への矢印が無く、2人共勘違いしてしまいました。
AM . 9 : 15 東俣登山口帰着。
少し登った本当の林道出合いで彼と別れました。自転車の2人乗りが出来ないかと考えたのですが、
ダートの林道のこと、無理は大ケガの元です。長い林道歩きの彼に恐縮しながら先に下りました。
AM . 9 : 30 東俣峠着。
富山県南栃市利賀村上百瀬〜水無(1250m) 図らずも自転車で峠をゲットしました。 
AM . 10 : 00 栃谷登山口帰着。(778m)
1500m付近の東俣登山口からだと10kmあるのでは? かなりの距離でした。
あの単独者のことが心配になりますが、足の速さに二度三度驚かされました。大丈夫でしょう!

登山口の水場で体を拭き上げ、帰路に就きました。
自転車は林道でのみ意味がありそうに思います。山ではNGでした。